タモリ感服・森繁式の説教法　人気者のコツは「隙」にあり……松本幸四郎×ヨルタモリ2015.5.31

2015/05/31 2015/09/13

ヨルタモリへようこそ！松本幸四郎がゲストの２０１５年５月３１日放送、第２８回の内容解説です。画像の出典は全てフジテレビ２０１５年５月３１日。

タモリ感服・森繁式の説教法　人気者のコツは「隙」にあり……松本幸四郎×ヨルタモリ2015.5.31

５月２４日のゲスト紹介松本幸四郎

・１９４２年生まれの歌舞伎役者。３歳で初舞台。
・タモリと同じ早稲田大学卒。学部は第一文学部。
・歌舞伎の名門である高麗屋（※歌舞伎役者は江戸時代の初めに身分を認められた際に、形式上小さな店を構えることが多く○○屋との屋号を持った）の芸を継承。演目は「勧進帳」（＝源頼朝の怒りを買った源義経一行の関所切り抜けの物語）の弁慶など多数。
・歌舞伎だけでなく、海外でミュージカルの主役（「ラ・マンチャの男」主役など）を務めた。
・さらに、テレビドラマの俳優としても大役（「山河燃ゆ」主演など）をこなし、歌舞伎役者の範疇にとどまらない活躍を見せてきた。
・娘は松たか子。

➡タモリが松たか子の歌唱力をジャッジ〜深すぎる哲学談義に〜……ヨルタモリ2014.11.16

松たか子の主演した回はヨルタモリ史上最も哲学的な内容だった回です。かなり難解ですがぜひご覧ください。

ヨルタモリ【１】タモリが敬服した森繁式の説教法

１　「チャーミングって何だろう？」の巻。岩手のジャズ喫茶のマスター吉原さん（＝タモリ）が登場。松本幸四郎もジャズ好き。

２　松本幸四郎は日本にはマリリンモンローのようなチャーミングな女優がいないと嘆きます。宮沢りえにぜひチャーミングを目指して欲しいといいます。

３　歌舞伎とは無関係な女性と結婚した松本幸四郎の名言。「僕は彼女から常識を学び、僕は彼女に非常識を教えた」

４　出演者は異口同音に松本幸四郎は思ったより話しやすいといいます。

５　吉原さんは森繁久彌にも大物らしからぬ親しみやすいチャーミングな面があったと言います。具体的には訳のわからないことをつぶやきながら登場したり、真面目な話の落ちがすっとんきょうだったり。

ポイント解説　森繁久彌の会話術

森繁「おい、熱いね、おい。タモリ。夏は黒い車は熱いね」と訳のわからないことを言いながら近づいてくる。タモリは森繁にヨットを見せてもらう。

森繁「おまえ何？ヨットに趣味はあるのか？」

タモリ「はい」

森繁「あーそう。いいことだね、お前みたいなバカみたいなことばっかり、なんだあのブリーフ１枚で、動物、なんだあれは？イグアナ？バカなことやってんじゃないよ、本当に。趣味だけはね高尚なものを持ちなさいよ。お前、ヨット、いいじゃないか。なー。趣味だけは。お前、ヨット持つの夢か？」

タモリ「ハイ」

森繁「ヨットはいいぞ。沈む地平線に向かってずっとヨットを出していくんだ。そして沖に行ったらね、もう女は貞操観念ありませんよ」

タモリさんによるとコツは以下のパターンです。

導入：冗談めかして
本論：真面目に持論を説く。相手にとって耳が痛いことも。
締め：冗談めかして

もうひとつ付け加えればオチだけ文体が敬体（です、ます調）になっている点。日本語は言語学上「ムード」と呼ばれる文末表現で、心情、トーン、雰囲気を伝えるのが大の得意です。そこをうまく使っています。

もし、部下が服装がだらしないと取引先に指摘されそれを森繁式で伝えるとします。

【普通の伝え方】

上司「この間、Ａ社の部長、君の服装がだらしないって。社会人の基本だろう」

部下「（え？普通の格好してるのに）あ、はい。申し訳ありません」

【森繁式の伝え方】

上司「おい雨だぞ。６月だね～。知ってたか？あじさいは雨を吸った翌日きれいに咲くんだから、水も滴るってね〜」
部下「はい？」
上司「そういやあこの間、Ａ社の部長、君の服装がだらしないって」
部下「あ……はい（そうかな？そうだったかも）」
上司「いやホテルから朝帰りだったんじゃないかって、若手社員は体力ありますからね～」

説教はする方もされる方も面倒なものです。森繁式は簡単に活用できそうです。

ヨルタモリ【TV1】Mr.炒飯～全ての飯は炒飯に通ず～

１　Mr.炒飯は、ひたすら具材（ハンバーグ定食。サラダを含め残り物多数）を刻んでいく。食材を一切無駄にしない。刻み終えたら中華鍋を火にかける。中華鍋を楽器のように鳴らしたあと、米飯を炒める。具材を流しいれる。強火でひたすら鍋を振る。試食する。「好吃（hǎo chī）！」

ヨルタモリ【２】チャーミングとは隙があること

1　吉原さんはチャーミングとは隙があることではないかとつぶやきます。松本幸四郎は、演技においてセリフよりも間に巧拙が出ると言います。

２　吉原さんはある売れない歌手になぜ売れないのかと聞かれました。熟考したうえ「完璧すぎるからですよ。真似ができない」と答えたそうです。

ポイント解説　吉原さん（＝タモリ）のボーカル論

吉原さんはかつてゲストの松たか子さんに、「歌い方が完璧主義でやや作りこみすぎている」と指摘し、もっと力を抜いて歌ってもいいと意見を述べたことがあります。「歌うことは歌うことをやめること」。発声の挙措（きょそ）や技巧を意識から無意識に落とし込むことが重要だということです。

➡タモリが松たか子の歌唱力をジャッジ〜深すぎる哲学談義に〜……ヨルタモリ2014.11.16

３　「ラ・マンチャの男」（＝松本幸四郎がブロードウェイで英語で主役を務めたミュージカル）のテーマをギターで弾くと松本幸四郎が歌を披露してくれます。

ヨルタモリ【TV２】ボクらの筋肉

１　ボディビルダー２人が雑談していると、ボディビルダー筋一（すじはじめ＝タモリ）が登場。筋肉をつけすぎ、図鑑に載っていない謎の筋肉がつき、体も動かしづらくなったと近況を報告。

ポイント解説　世界初のボディビルダー　ユージン・サンドウ

出典：http://www.express.co.uk/

・１８６７年現在のロシアに生まれる。古代ギリシャから伝わる彫刻の戦士や英雄を見て、強靭な肉体への憧れを抱く。
・１８８６年、１９歳で怪力パフォーマンスで名を馳せる。
・１８９４年に結婚するが、男性の音楽家との親密な関係が問題となる。
・「Body-Building」など５冊の書籍を執筆。ホーム・トレーニング向けの器具の販売でも実績。
・１９０１年イギリスで世界最初のボディビル・コンテスト「グレート・コンペティション」を主催。
・１９２５年、５８歳で逝去。

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